胆石による黄疸症状。治療方針決定まで。

嘔吐から食欲不振、そして動物病院へ

アビは嘔吐が多いとお伝えしたと思います。嘔吐の頻度は、週に1回or2週間に1回くらいです。

5月から6月上旬にかけての動きだと、5/10・5月下旬・6/2・6/8の合計4回。直前に食べたものを嘔吐するか、胃液だけを嘔吐することが一般的です。嘔吐後は少しだるそうですが、何事もなかったかのように動き出すんです。

そして6/9。朝、いつもどおりアビは食べていました。ですが、18時ごろに帰宅すると、アビがぐったりしていました。この状態になると経験上、それなりの確率でかかりつけ医が必要になります。

ここからはかかりつけ医の都合もあり、3日間ほど自宅療養となります。すぐに診てもらえなかったので、かかりつけ医変えたいと思いました。が、近所の別の動物病院で診てもらった際にあまり良い経験ができなかったので、電話で連絡とりながら自宅療養に専念しました。

そして、6/13にやっと動物病院に行くことができました。

医療部長の診察

かかりつけ医は5年くらい診てもらっていた獣医師が退職されてしまい、曜日によって獣医師が変動になるので、体調悪くなったタイミングによっては、引継ぎが不十分で1から説明することもありかなりイライラしていました。

ただ、今回ラッキーだったのは医療部長に診てもらえたこと。複数の獣医師が勤務していますが、今回は医療部長でした。アビにとっては初めてで、動物病院の中でも一番専門性が高い方でした。

今までの症状を全てテキストで時系列でまとめて説明。すぐに血液検査とレントゲンになりました。正直、いつもの吐き気止めを注射されて元気になるのかなと思っていました…

レントゲンと血液検査の結果

検査結果を受けた獣医師からの説明を端的にまとめます。

  • 胆のうと胆管に胆石ができていて胆管閉塞が起こっている可能性が高い。そのため黄疸症状が発生し食欲不振・気持ち悪い・体調不良が発症している
  • 胆石を溶かす薬はない
  • まずは内科的治療を進める。改善が見られない場合は外科的手術の可能性が高いが、17歳という年齢を考慮すると覚悟は必要。手術のリスクは高い。

いつものように一時的な症状と高を括っていたので、すぐには受け止められませんでした。獣医師はアビの症状を私が理解できるように、時間をかけてゆっくりと丁寧にそして冷静に教えてくれました。

以下は獣医師が私に説明してくれたアビの症状です。管理人(飼い主)向けの説明なので専門的な言葉も例えを用いたりかみ砕いたりしています。管理人の認識相違もあるかもしれません。胆石を抱えた猫さん・飼い主さんの参考になればと思いますが、あくまでもアビの場合とお考えください。治療はかかりつけ獣医師さんに相談の上お願いします。


レントゲン検査の結果、胆管・胆のうに大量の胆石が見つかりました。以下図です。


胆管に胆石が大量に詰まっていて胆管閉塞が発症。その結果、ビリルビンの値が上昇し、黄疸症状が出ている。ビリルビンの値が上昇すると、食欲不振・気持ち悪い・体調不良などの原因になります。


アビの血液検査の結果です。健康状態ではビリルビンの値は0.0-0.9が目安のところ、アビは3.3という値。これは黄疸症状となり、生命にかかわる危険な状態です。ただ、このビリルビンの値でこれだけ元気なのは驚くべきことで、本来ならもっとぐったりとしていておかしくない(アビは病院に連れて行った時は食欲こそないが比較的元気でした)

一番重要な争点は、胆管閉塞が解消できるか。一時的な胆管閉塞であれば、点滴によって血流改善、抗生剤投与での消炎治療をして、胆管内に胆石はあるけど、完全な胆管閉塞ではなく胆管内での流れを今よりも改善することができればビリルビンの値は下げることができます。

内科的治療をするのであれば、点滴や抗生剤の投与を1~2日続けてビリルビンの値が下がるかを経過観察することになります。これで下がってくるようなら問題ない。

胆管に胆石が詰まっていて完全に閉塞している場合、つまり点滴や抗生剤が効かない場合、外科手術によって胆管閉塞の部分を解消する手術をする必要がある。

ただ、アビの場合は手術が難しい領域にも胆石があるため、手術によって可能な限りの胆石を取り除き、後は残った胆石が悪さをしないように祈ることしかできない。

獣医師への質問

丁寧で冷静な説明を何とか自分の中で受け入れ、アビのためにできることとして幾つかの質問をしました。

胆石ができる理由は?

色々な理由が考えられ原因究明は難しい。例えば、胆のうの中にばい菌が悪さをしていて胆のうの中に胆石ができてしまう。カルシウムやミネラルの代謝異常があってできてしまう。体質的にできてしまう子もいる。

胆石が自然に流れて便と一緒に出ることはないか?

いくつかは排泄されることはある。実際アビのレントゲンやエコーを見ると小さい胆石は排泄物と一緒に排出されそう(十二指腸の中に幾つか胆石がみられる)。胆石を溶かす薬はないので、点滴や抗生物質の投与で胆管内の流れがよくなって、胆石が少しでも流れ、便と排泄されることを期待する。

ウルソーという薬を用いて、胆のうの運動を収縮させ胆のう内部の内容物の排出を促すことができる。が、アビの場合は大量に胆石があるため、胆のうを収縮させると胆石によって傷つけられ、胆のう破裂や今よりも症状が悪化する可能性があるため、リスクが高すぎて使えない。

アビに外科的手術は可能か?

17歳という年齢なのでリスクはある。が、血液検査で見る限り、肝臓の数値はやや高いが許容範囲、腎臓の数値は問題ないので、麻酔は問題ないと思う。ただ、麻酔かける時にビリルビンの値が高いと手術のリスクはもの凄くあがる。

治療方針

獣医師と話し合って以下の方針となりました。

年齢を考慮して内科的治療で押し通せるなら、内科治療に専念する。今日お預かりして、点滴入院。点滴と抗生剤と消炎剤を開始してビリルビンの値が下がるかを経過観察。毎日ビリルビンの値を見て、4~7日間で下がればOK。もしも下がらず上がってしまう場合は緊急手術。


獣医師にお願いして、12時~18時の半日入院にさせてもらいました。かかりつけ病院は1次病院なので夜間緊急時は動物病院内に誰もいないためです。夜は自宅で一緒にいたい・動物病院で一人にさせたくないという管理人の想いです。

アビの復活だけを信じて、一旦お預けして内科治療をすすめ、6時間後に迎えにいきます。



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